お子様の口呼吸
口呼吸が習慣化していると、口内環境だけでなく、お身体全体に悪影響を及ぼしてしまいます。
虫歯になりやすい
唾液は多くの役割を担っており、そのうちの一つに歯の再石灰化があります。歯は、食事のたびに細菌が出す酸によって表面を溶かされており、唾液が元の健康な状態に戻るよう再石灰化を促します。間食が多いと虫歯になりやすくなるのは、お口の中が酸性になっている時間が長いためです。 口呼吸によりお口の中が乾いていると、唾液の能力が存分に発揮されません。お口の中が中和されず、再石灰化も不十分なため、虫歯ができやすくなるのです。
歯肉炎や
口臭の原因になる
唾液には再石灰化以外にも、自浄作用や細菌の活動を抑える役割もあるため、口呼吸で乾燥していると雑菌が繁殖してしまいやすくなります。そのため歯周病の前段階である、歯肉炎を起こしやすくなってしまいます。 また、口臭は、口腔内細菌が増殖したり活発になったりすることで、臭いが強くなると分かっているため、唾液がじゅうぶんに作用するよう口内環境を整えなくてはいけません。
睡眠の質を下げる
口を開けたまま寝ていると、いびきをかきやすくなります。これは、舌が喉の方へと落ちて気道をふさぐために発生します。睡眠中、きちんと酸素を取り込めないため、朝になっても疲れが取れなかったり、日中とても眠くなったりといった影響があります。 また、睡眠時無呼吸症候群は子どもでも発症する可能性があり、健やかな成長に多大な悪影響を及ぼします。疑いがある場合は、病院に相談することが大切です。
顔の形・歯並びへ
悪影響を与える
いつも口を開けていると、口周りの筋肉が鍛えられず口が閉じにくくなります。舌の位置を固定する筋肉が緩むと二重あごの原因になり、口輪筋がたるむことでほうれい線が出やすくなります。 さらに、口が閉じられないと歯が前方へ傾いてしまい、出っ歯や受け口の原因になります。噛み合わせが悪くなると、フェイスラインにも悪影響です。特に成長中の子どもは、全体的な骨格にも影響が出やすいため予防や早期治療が重要です。
風邪をひきやすくなる
鼻で呼吸している場合は、鼻毛や鼻水などの、細菌やウイルス、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を体外に出すための機構・組織が存在しているため、風邪やアレルギーを発症しにくいです。 しかし、口呼吸をしていると、粘膜を守るための唾液の抗菌作用が上手く働きません。加えて、細菌などを含んだ空気が、無防備な口やのどの粘膜に直接触れてしまいます。冷たい空気がそのまま肺へ入ると、免疫力が低下しやすくため、肺炎や喘息などのリスクが高まります。
改善するために
当院では「T4K」「プレオルソ」というトレーニング矯正装置を導入しており、口呼吸から鼻呼吸へと改善するための治療を行っています。装置はマウスピースの形をしていますが、歯並びを整えることが目的ではなく、口周りの筋肉(口輪筋)を鍛えるための装置です。
一般的な小児矯正に比べて費用が抑えられ、更に装着時間が短いのが特徴です。起きている間1時間と就寝中の装着と、鼻呼吸を習慣づけるためのトレーニングを行っていただきます。
気づいたら口を開けている、口呼吸ばかりしている…など、お子様の呼吸にお悩みがありましたら、当院へご相談ください。